船舶管理の暗黙知
SIの重要性は広く認識されていますが、その育成プロセスについて体系的に語られることは多くありません。多くの船舶管理会社において、SI育成は制度としてではなく、実務を通じた暗黙知として行われています。
SI候補の選抜は船上で始まります。技量や経験だけでなく、報告能力、全体最適を意識した考え方、独善的でない姿勢が重視されます。選ばれた人材は、アシスタントSIとして陸上勤務に移り、OJTを通じて管理者としての視点を身につけていきます。
この過程では、クレーム対応、修繕交渉、保険案件、契約上の責任分界など、判断の背景にある考え方を学びます。一定期間後には、小規模な案件を単独で担当させ、適度な失敗を経験させながら判断力を養います。最終的に、会社の価値観を理解し、それを体現できると認められたとき、正式にSIへと昇進します。
SI育成は時間と労力を要しますが、育ったSIは会社にとってかけがえのない資産です。船舶管理の品質とは、最終的には「人」によって支えられていることを、あらためて認識すべきでしょう。
実務経験に基づく参考情報(内容の正確性は保証されません) / Reference Information Based on Practical Experience
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