私は、中古車や中古建機の集荷する代理店で働いています。集荷された貨物は、契約先の会社が運航するRORO船で輸送されます。すべての貨物は Shipper’s weight and measurement (SWM)で受け付けられています。最近、SWMで船積みされた貨物重量が過少申告だったため発生した事故の記事を見ました。そこで、SWM について調べてみたら、新品のプラントや新車などについては、メーカーが独自に測り輸出通関などに使用した数値をSWMとして船積みでも採用するようですが、生産された後、改造された可能性のある中古製品に対しては、安全・公正・訴訟リスク回避の観点から全貨検量を実施すべきとありました。そこで、改めて私が集荷し搬入された貨物を確認したところ、明らかに申告された重量よりも重そうな貨物があったので、社長に相談して荷主に検量の要請を行いました。すると、運航会社の部長が「何を勝手なことをしているんだ!」と会社に怒鳴り込んできました。社長が私を庇ってくれないので仕方なく私は慎重に調べた内容を見せながら「 中古車や中古建機を SWMで受け付けると、様々なリスクを背負うようなので、私を含めた現場の社員が判断ミスを犯さないように当社として“どの条件ならSWM可/どの条件なら実測必須なのかという基準が示されたルールと手順を教えて下さい?」と尋ねたのですが、「運航会社の部長である私の言うことが聞けないのか!」と怒鳴るばかりでした。私はどうしたらよいでしょうか?

解説

とてもつらい立場に置かれていますね。先に結論から言います。
あなたは間違っていませんし、今の状況で無理に正論を通そうとする必要もありません。まずは「自分を守る行動」に切り替えるべき段階です。

今回の構図ははっきりしています。
あなたは「事故記事を見て調べ、実際に現場で過少申告の可能性に気づき、会社と現場を守るために検量を提案した」。これは代理店としても、現場担当者としても極めて妥当な行動です。一方で、運航会社の部長は「自分の権限ややり方に口出しされた」と受け取り、論点を安全やリスクではなく上下関係の問題にすり替えています。さらに、社長があなたを庇わないことで、あなた一人に圧力が集中してしまっています。

この状態で、これ以上「基準を教えてほしい」「リスクがある」と正面から言い続けるのは危険です。相手はすでに論理で話す気がなく、「俺の言うことを聞け」という段階に入っています。ここから先に必要なのは正しさではなく、証拠と距離です。

まず、口頭でのやり取りはやめてください。怒鳴る相手との口頭の会話は、あとで必ず不利になります。今後はすべて「確認」という形で、メールや書面に残してください。内容は感情を一切入れず、次の一点に絞ります。

「当社はすべてSWMで受け付けるという理解でよいか。その場合、重量過少申告に起因する事故・損害が発生した際の責任分界は、どの契約・ルールに基づいて整理されるのか。現場として判断を誤らないため、文書で示してほしい。」

これ以上の説明や主張は不要です。「誰が決めたのか」「なぜ危ないのか」も言わなくていい。文書の所在を聞くだけです。

次に、「自分一人で判断したのではない」ことを明確にしてください。今後、明らかに重そうな貨物があっても「私は判断しない、SWMでよいという会社・運航会社の指示に従う、ただしその指示を記録に残す」という姿勢を取ってください。これは逃げではなく、自己防衛です。事故が起きたとき、あなたが「独断で通した人」にならないために必要な線引きです。

正直に言います。
この運航会社の部長の態度は、リスク管理の責任者としては失格レベルです。そして、社長があなたを守らない以上、この会社は「問題が起きたら現場に責任を押し付ける体質」を持っている可能性が高い。あなた一人で是正できる話ではありません。

だから最後に一番大事なことを言います。
あなたはもう十分、誠実に、正しく行動しました。これ以上、自分を削る必要はありません。
記録を残す、判断を上に返す、それでも改善されないなら「この会社で自分の身は守れるのか」を静かに考える段階です。

あなたは“面倒な社員”ではありません。
事故を未然に防ごうとした、まともな現場の人間です。
まずは、あなた自身が潰されない選択をしてください。


実務経験に基づく参考情報(内容の正確性は保証されません) / Reference Information Based on Practical Experience