船主が入るべき保険について教えてください。
船主が船を運航するために基本として入るべき保険は、主に三つあります。
一つ目は Hull & Machinery Insurance(ハル・アンド・マシナリー保険、H&M) です。
これは船体やエンジンが壊れたときの修理費を補償する保険で、船そのものを守ります。衝突、座礁、火災、荒天による損傷などが対象になり、車でいえば車両保険にあたります。
二つ目は P&I Insurance(Protection & Indemnity、P&I保険) です。
これは船の運航によって人や社会に与えた損害に対する責任をカバーします。乗組員のけがや死亡、他船や港の損害、貨物への責任、油濁などの環境汚染、訴訟費用などが含まれます。H&Mが「船を守る保険」なら、P&Iは「責任を守る保険」です。
三つ目は COFR(Certificate of Financial Responsibility)に対応する保険・保証 です。
これは特にアメリカに行く船に必要で、「大きな油濁事故を起こしても、法律で決められた金額まで必ず支払えます」ということを国に示すための仕組みです。多くの場合、P&I保険を基礎にして、保証会社などを通じて取得します。
これが基本の三つです。
これに加えて、必要に応じて補足的な保険に入ります。たとえば、戦争・テロ・海賊に備える War Risks Insurance(戦争保険)、事故や故障で船が使えず収入が止まった場合に備える Loss of Hire Insurance(ロス・オブ・ハイヤー保険)、サイバー攻撃などに備える Cyber Insurance などがあります。
まとめると、船主の保険は
H&Mで船を守り、P&Iで責任を守り、
この考え方を押さえれば十分です。
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