日本のインフレの構造変化

コストプッシュ型からディマンドプル型へ

日本の物価は、2022年から2025年までの累計で、およそ9~10%上がりました。

この主な理由は、

①円安が進んだこと ②円安の影響で、輸入する食料・エネルギー・原材料の価格が上がったこと ③人手不足によって人件費が上がったことです。

つまり、この時期のインフレは、コストが上がったことによるインフレ(コストプッシュ型)でした。

しかし2026年の現在、状況は少し変わり始めています。春闘を中心に名目賃金(給料の額面)が上がり続け、物価上昇を差し引いた実質賃金も、少しずつ良くなり始めています。その結果、個人の消費(需要)が回復しつつあります。

これに合わせて、企業の考え方も変わってきました。以前は「コストが上がった分だけ仕方なく値上げする」という姿勢でしたが、最近は「それ以上に値上げしても売れるかもしれない」と考える企業が増えています。

このため、現在のインフレは、コストの上昇が原因のインフレ(コストプッシュ)から、需要の増加も関係するインフレ(ディマンドプル)へと移りつつあると言えます。

日本銀行は、こうした状況を見ながら、物価が上がりすぎないように、短期金利を少しずつ引き上げていこうと考えています。