供給不足圧力と局所的船余りの併存

ホルムズ海峡の通航困難化を受け、PCTC(自動車専用船)の需給には二重の歪みが生じている。

報道によれば、封鎖局面ではペルシャ湾内に自動車船が16隻滞留しており、さらに封鎖発生時点で極東から中東向けに航行中であったであろう船が保守的に見積もっても8隻存在すると推定できる。これらを合算すると、少なくとも24隻が当該時点において運用上他航路へ転用できない状態に陥っていると推定される。

このような状況は、PCTCの輸送供給力を実質的に押し下げる圧力として作用している。

一方で、極東から中東向けに従事していた主要運航会社を4社と仮定すると、これまで中東向けに投入されていたものの、当該時点で他航路へ転用できる船が少なくとも4隻以上存在すると考えられる。

これらの船は中東向けとしては使用できなくなっているため、他航路で吸収・転用されない場合には、航路間の需給ミスマッチとして局所的な船余りを生じさせる可能性がある。

結果として、市場全体では供給不足圧力が続く一方、航路別には余剰が同時に発生するという、複雑な市況環境が形成されつつある。